DOさんネットを使ったリサーチとプロモーション ドゥ・ハウス高栖祐介氏 Vol.2
株式会社ドゥ・ハウスの高栖祐介取締役のインタビュー第二回目です。
前回は『聞くマーケティング』を重視しているというお話でしたが、今回はその対象となっている主婦のネットワーク『DOさん・ネット』について伺っていきます。
■インタビュー抜粋
●ディスカッション方式でクチコミが広がる
- 事業内容についてお聞きしたいのですが、具体的にどんなことをやってらっしゃるのでしょうか?
「ドゥ・ハウスは他の調査会社やプロモーション会社と違ってリサーチとプロモーションの両方をやっているのが大きな特徴なんですね。」
「リサーチに関しては商品開発の手助けです。つまりネットやDOさんを使い、メーカーさんの『耳』や『目』の代わりとして生活者の実態や流通の実態を吸い上げ、商品開発のための仮説生成のお手伝いをしています。方法としてはアンケートでYes,Noや5段階評価を取ったりする定量調査よりも、生活者の生の声や、表情、売り場の様子など数値化できない定性情報を中心に扱っています。」
「プロモーションについては、DOさんを使ったクチコミと、ブログを使ったプロモーションが二つの軸です。DOさんには自宅に友達を呼んでその商品について良い所・悪い所を自由にディスカッションしてもらう、というということをやっています。その商品の良さが自然に消費者に伝わるようにしているんですね。」
「余談ですがディスカッション方式というとこんな例があります。第二次世界大戦のときにアメリカが食料危機になり、国民に臓物を食べさせようという話になりました。それまでアメリカ人には臓物を食べる習慣がなかったので、どうしようかということになったのですが、そこである心理学者が二つの実験を行いました。」
「一つのグループでは栄養士の先生が主婦に向けて『臓物にはこんな栄養があるし、戦争中だから協力しよう』という講義形式のアプローチを行いました。もう一つのグループには、臓物を旦那さんに食べさせるにはどうしたらいいかをディスカッションして提案させる、というアプローチをしました。実験の後でどちらのグループが臓物を食べたかを調べると、ディスカッションを行ったグループだったのです。理解も増えて調理方法も豊富になっていたからです。」
「ですから我々もディスカッションしてもらって、『この商品はどんなところがいいのか』、『こういう製品を使うときにはどういう使い方をしたらいいのか』という話し合いをしていただく過程の中で、クライアントの商品を伝えるようにしています。」
●一人あたり100世帯の友人、50件の店舗をネットワーク
- DOさんネットとはどんな事業なのでしょうか?
「事業と言うよりネットワークなのですが、生活者をネットワークして色々なやりとりが発生させるなかで、データを吸い上げたりクチコミを広げるというものです。主婦を中心に構成され全国で560人、首都圏で480人、平均年齢が42歳、最終学歴が大卒ととなっています。それから世帯年収については1,000万円以上の人が30%なっています。世の中の平均が10%ですからそれよりはやや高いですね。」
「もともと30年前にDOさんをネットワークしたのですが、当時というのは団塊の世代が30歳くらいのときなんですね。学歴が高く一流企業に勤めていたのだけど、結婚を機に会社をやめてしまった女性がたくさんいたのです。そういうパワーが家庭の中で埋もれているだけではもったいないだろう、というところに着目したんですね。」
「我々から出している報酬は、パートタイムで働くのと同じ程度ですから決して高くはありません。むしろ何らかのマーケティングに関わりたいとか、社会の中で接点を持っていたい、という主婦達の欲求と、我々のDOさんのパワーを活用したいというニーズが合致したのでしょう。」
「DOさんには『100世帯のお友達、50件の店舗はよく把握しておいてください』とお願いしています。何故それだけ必要かというと、一つの製品があってそれに合致する人を探すには100世帯くらいのネットワークがないと見つからないからなんですね。例えば『大型テレビをクチコミしてもらいたい』というときには100世帯くらい持っていないと対象者が見つからないのです。」
■この企業へのコンタクト
株式会社ドゥ・ハウス
〒105-0004 東京都港区新橋6-20-2
TEL:03-5472-7901(代表)
|
|
13 queries. 0.030 sec.
Powered by WordPress Module based on WordPress ME & WordPress